vol.19 将来を見据えた家づくり――階段は、荷物搬入時のことも考えて

家族にやさしい家づくり

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2階建て以上の新築住宅に必ず設置するものが階段です。ただ一口に階段といっても幅や形状によって家全体の間取への影響も大きく、引越しの際、上階への大きな家具の搬入経路としての役割や、高齢者のためのバリアフリー、ユニバーサルデザインなど考えるべきことは少なくありません。そこで、今回は家づくりの中でも特に階段にスポットを当ててご紹介します。

 

広めの階段のすすめと階段の種類

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一般的な住宅に設置される階段の種類は、一直線の「直線階段」、途中でL字に折れ曲がる「折れ曲がり階段」、途中でコの字に折れ曲がる「折り返し階段」、らせん状に連なる「らせん階段」の大きく4つに分類されます。これらの中から間取りや家の広さ、そして好みなどによって選択します。

 

階段を選択する際のポイントとして安全性があります。小さなお子様がいなければ問題ないと思われるかもしれませんが、将来的に自分たちが高齢者になることを考えれば、幅が狭い、勾配がきつい階段は避けたほうがよいでしょう。

 

では具体的にお子様や高齢者の方でも安心して利用できる階段の広さ、勾配はどのぐらいがよいのでしょう。例えば、中学・高校の校舎に設置される階段は蹴上げが180mm以下、踏み面は260mm以上で勾配は34.6度です。もちろんこれをそのまま一般の住宅に当てはめると、階段だけでかなりのスペースを取ることになりますが、安全性を考えればできるだけこの基準に近づけたうえ、手すりをつける、足元を照らす照明を設置するといったユニバーサルデザインにすることが望ましいでしょう。

 

また階段の種類によっても安全性は変わってきます。踊り場のある折れ曲がり・折り返し階段に比べ、直線階段やらせん階段など踊り場のない階段は落下の危険性が高くなるため、小さなお子様のいる家庭に限らず、避けたほうがより安全です。

 

入居時の荷物搬入経路について

階段の幅を広めにし、勾配も緩めにすることをおすすめする理由はもう一つあります。それは入居時の荷物の搬入をできるだけ楽にするためです。幅が狭く勾配がきつい階段では、非常に苦労します。特に分断できない箱型の家具や大物家電に注意が必要です。屋内で搬入経路が確保できない場合は窓から搬入しなくてはならなくなり、人力による吊り上げや、場合によってはクレーンなどを使うことになるので、余計な費用がかかってしまいます。

 

入居時は問題なくとも、生活をしていくと大きなものを購入する機会もあるかもしれません。そうした際の搬入経路も考慮したうえで、間取り・階段の設計をすることをおすすめします。

 

住宅ローン審査も考慮した設計を

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階段は安全性の面で途中に踊り場のある階段がおすすめですと説明しましたが、そうした階段をおすすめする理由は安全性だけではありません。実は階段の設計は住宅ローン審査にかかわってくることもあります。

 

例えば、低金利の住宅ローン「フラット35S」では、「省エネルギー性」「耐震性」「バリアフリー性」「耐久性・可変性」のいずれかの技術基準をクリアした住宅にする事が求められ、その中で「バリアフリー性」を選択した場合、“螺旋階段等安全上問題があると考えられる形状の階段“は基準外となり、審査から外されてしまいます。「フラット35S」の利用を検討されている場合は注意が必要です。

 

ほとんどの住宅で欠かすことのできない階段。つい間取りやインテリアに気を取られてしまい忘れがちですが、家の中の動線の要となる非常に重要な部分です。横浜、町田エリアで、階段の設計を含め将来を見据えた注文住宅をご検討中の方は、ぜひ一度「マルビシ」までお気軽にお問い合わせ下さい。

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